メタボリックシンドローム
メタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームと言えば、肥満の病気というイメージをお持ちではないでしょうか?
というのも、当院に通院ただいている方に、
<どうすればメタボは治りますか?>、<先生、うちの家族みんな肥満なんです>
といった相談を受けることが多いです。
実は、肥満、肥満症、メタボリックシンドローム、といった言葉の意味は、若干ですが以下のように異なります。
(BMIは、体重(kg)÷身長(m) ÷身長(m)で計算されます)
成人男性;30%/成人女性23%がBMI25以上とされています。
肥満の状態+健康障害(高コレステロール、糖尿病、高血圧、大血管疾患
(心臓(心筋梗塞など)、脳血管疾患(脳梗塞など))、変形性膝関節症、睡眠時無呼吸など)
ウエスト周囲径(男性85㎝/女性90㎝以上:内臓脂肪面積100㎝2 に相当)
+
以下ⅰ)からⅲ)の3つのうち2つ以上
ⅰ)高脂血症(中性脂肪が150mg/dl以上 かつ/または HDLコレステロール
が40㎎/dl未満)
ⅱ)高血圧(収縮期血圧130mmHg以上 かつ/または 拡張期血圧85mmHg以上)
ⅲ)空腹時高血糖値(110㎎/dl以上)
つまりメタボリックシンドロームは、肥満よりも内臓脂肪の量に重きが置かれているといえます。そのため、肥満がなくてもメタボリックシンドロームと診断されることもありますし、肥満や肥満症はあるがメタボリックシンドロームでない方も多くおられます。
もともと内臓脂肪が、アディポサイトカイン(いろいろな物質の総称)と呼ばれる物質を産生し、これらが心血管疾患を引き起こすことがわかっていました。(日本で行われた久山町研究でも、メタボリックシンドロームの方は、非メタボリックシンドロームの方と比べて、心血管疾患発症が男性1.86倍、女性1.7倍になるといわれています。
そのため内臓脂肪の重要性を知ってもらうことも兼ねて、2005年に複数の学会が共同して、この概念を発表しました。
現在では、40歳以上男性の約30%、女性の約10%の方がこの基準を満たすことがわかっています。
皆さんも想像されるかと思いますが、一般的には、まず原疾患の治療、食事療法や運動療法といった生活指導になります。(原疾患の治療につきましては、当院の他ページの診療案内を参照ください。)
日本の研究においても保健指導を行うことで男女ともに2cm以上ウエストが小さくなったとの論文もあります。
具体的なお話しは、個人個人によって異なるのですが、一般的なお話をしていきたいと思います。
食事運動療法が大切とお話ししましたが、この二つの共通の目的は、体重を管理するために施行します。
食事療法に関しては、図1にお示しします。一般的には、急激な体重減少は、リバウンドが多く、体への負担も重いです。そのため、少しずつ体重を落としていくことが大切で、食事に関しては基礎代謝量より少し減らした食事をとると体重減少につながります。
注意する点としては、筋肉まで落としてしまわないようにすることが大切で、加齢に連れて筋肉がつきにくくなり、筋肉が減ると75歳以上は寿命が短くなるという報告もあります。
そのため、バランスの良い食事をとりながら減量していくことが肝要です。また、基礎代謝量を知りたいという方は、当院では、Inbody(図2)という医療機器を設置していますので測定可能です。従来心不全や腎不全といった体液貯留を評価する機器になりますが、当院通院中の方(無料です)には、運動食事療法の一環として測定し、筋肉や脂肪の付き具合を評価(図3)することで、それを踏まえた食事運動療法を指導しています。



運動療法に関しましては、合併する疾患によって変わりますので、簡単にお話いたしますが、糖尿病など血糖値が高めな方は、血糖値の一番高くなる食後1時間頃に実施(夏;夕食後,冬;昼食後など)するのが良いとされます。
諸説ありますが、運動の効果は48時間持続するとされるため、なるべくこまめにすることが大切です。また、高齢の方で、上記が難しい場合、バランスや柔軟運動もよいかと思います。
運動強度に関しましては、心拍 100~120 bpm程度の強度(中等度):体感として少しきついレベルが、心不全の予防には良いとされています。
また、運動する時間がない場合は日常生活におけるエネルギー消費を増やす(会社に遠回りしていく、階段をなるべく使う、ひとつ前のバス停で降りて歩いてみる。など)といった方法もあります。いずれにしても、一番大切なことは、全くしないことをさけて、軽い運動でもよいので、1秒でも1分でも体を動かすことです。
以上簡単ですが、メタボリックシンドロームについてお話ししました。もし、検診などで指摘を受けたと言われたという方は、当院に一度ご相談ください。
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