心臓超音波(心エコー)検査
心臓超音波(心エコー)検査
当院では、循環器内科でもあり、多くの方に心臓超音波(心エコー)検査を受けていただいています。
というのも、心臓超音波検査は、心臓の動きをみたり、心臓の弁がきちんと作動しているかをみたり、心臓の中に余分な穴が開いていないかを調べたり、心不全になっていないかを評価したりと非常に多くの情報が得ることができる検査であるためです。
それでは、そもそも超音波とは、いったい何でしょうか?超というくらいですので、かなりすごい音波と考えておられる方がおられるかと思います。しかし実際は、超音波とは、ヒトの耳には聞こえない程度の高い振動数をもつ音波で、人が聴くことができないから<超>音波なのです。
コウモリやイルカ等が伝達手段で使ったりすることが知られています。人間においても、超音波は非常に生活では不可欠なもので、当初超音波の技術は、氷山など海面下の障害物の発見のため使用されていました。
そして、戦後になると医療でも用いられるようになってきました。1954年には、Edler先生が心臓超音波を開発し、その後アメリカのMayo Clinic等で様々な研究がされ臨床で積極的に取り入れられるようになりました。
とりわけ心臓の超音波検査の特徴は、一般的な腹部エコー等と比較して、形態をみるだけではなく、動態を見ることが決定的に違う点です。そのため、熟練が必要でしたが、最近では画像もここ10年で改善し、自動計測機能等も登場してきており、私が研修医であった20年程度前より一般的となってきています。
また、超音波は、放射線と違い被爆の問題もないため、お子さんや妊婦さんにも施行することができます。
それでは、どういった場合に心臓超音波検査を行うのでしょうか?
一般的には、以下の症状の時があり、他の検査等で心疾患を疑った際に行います。
また症状が無かったとしても、以下の症候があれば、行うメリットが多いと考えられ、日本循環器学会のガイドラインでも推奨されています。
他には、症状ではないですが、検診等で心雑音を指摘された場合には、原因精査のために行うことが多いです。
次に実際の画像を見ていただこうと思います。以下に示すのは、私が自身にあてた心臓超音波画像です。(超音波画像①、画像②)
一般的には、まず胸骨の左横から胸骨左縁像(超音波画像)という画像を見ます。
これは、左心室の大きさや動き、左心房の大きさを見る以外に、大動脈弁(大動脈に送り出された血液が左心室に戻らないようにする逆流防止弁)、僧帽弁(左心房から左心室に送り出された血液が左心房に戻らないようにする逆流防止弁)といった弁に異常(閉鎖不全や狭窄)がないかどうか、大動脈(上行、下行)に瘤や解離がないかどうかを確認するという画像になります。
次に心尖部といって、心臓の下からのぞきあげるような画像(心尖部View:超音波画像②)をみます。
この画像は、心臓の大きさをみるのに優れる画像で、特に左心房の大きさを評価するのに有用とされています。加えて最近では、心臓の収縮よりも拡張機能による心不全が増加しており、拡張機能を評価するのにもこの画像を解析することになります。
当院では、この一連の流れをおおよそ10分程度で状態評価は可能です。その結果以下の病気や、程度がわかります。
などです
今までいろいろとお話してきましたが、最初にもお伝えしました通り、心臓超音波検査は、簡便で非常に多くの情報が得られます。胸部の症状があり、精査希望の方がいらっしゃいましたら当院で一度ご相談ください。
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