貧血(鉄欠乏性貧血など)
貧血(鉄欠乏性貧血など)

<ふらふらめまいやたちくらみがする>、<最近すぐにつかれて、何かしんどい>、<どきどきしたり息が切れたりする>といった症状で受診し、検査で貧血であったということはたびたびあります。ここでは、貧血についてお話していきたいと思います。
貧血とは、赤血球という酸素を運ぶ血球が、十分に働かない状態と言われています。
具体的には、赤血球の数が足らなかったり、ヘモグロビン(Hb)という血色素が足らなかったりという状態のことを指します。
一般的に成人男性でこのHbが13g/dL未満の場合(女性は12g/dL未満)を貧血状態と言います。
ただし、貧血になるとすぐにお話しした自覚症状が、すぐでるわけではないです。
というのも、ゆっくりと進行した慢性的な貧血の場合Hb濃度が8 g/dL程度までは何も症状がなく、貧血の治療後に楽になり始めて気づくという方も多くいらっしゃいます。
さらに進行し、7g/dL以下程度になるとめまいや心雑音などが出現し,6g/dL以下程度の状態が持続すると息切れや動悸といった心不全症状が出現することが多いです。
私もHb2.8g/dLという慢性貧血状態で来られた方も診察し、貧血が改善したら、心不全もすべて改善したという方も経験しています。
逆に出血などで急激な発症の貧血の場合はHbが10g/dLでも症状が出ます。
お話ししてきた貧血ですが原因は、大きく分けて3つとされています。
骨髄から作られる幹細胞(赤血球など様々な組織に分化する細胞)の異常や産生過程での異常。(骨髄疾患や鉄欠乏性貧血など)
赤血球は120日程度の寿命ですが、赤血球自体に問題があったり、病気で赤血球が壊されたりするもの(溶血性貧血など)
出血など
今回は、その中で一番頻度の高く、当院でも多く治療している鉄欠乏性貧血についてお話ししたいと思います。鉄欠乏性貧血は、成人女性全体の約8%の頻度とされ、貧血で外来受診される患者の約7割が鉄欠乏性貧血と言われています。症状は、一般的な貧血症状であるめまいや頭痛などに加えて、口腔内の違和感や舌炎、爪の異常、意欲低下、嚥下困難等の症状をきたすことがあるといわれています。最近では、あしがむずむずして眠れなくなるいわゆる<ムズムズあし(レストレスレッグス)症候群>の原因になるという報告もあります。
鉄欠乏性貧血の診断ですが、
の3つとされています。
特に大事なのが③で、フェリチンとは、鉄を貯蔵する役割を持つタンパク質です。
これが低値であると貯蔵鉄がないということになります。
貯蔵鉄がないとすぐに再度鉄欠乏性貧血に戻ることになり、鉄欠乏性貧血の治療は、血色素の量はもちろんですがフェリチンをみて治療していくことになります。
お話しした鉄欠乏状態になるには、一般的に原因があることが多いです。
主な原因として、以下のものがあります。
他には、偏食が原因であった方や、過度のダイエットによる方も経験しています。
一般的に男性は消化管の異常、女性は子宮筋腫や過多月経などが多いといわれているため、診断された方には、当院では、女性の方には、婦人科の受診をお勧めしたり、原因精査のためCT検査や胃カメラ検査等のため、可能な限り一度は病院紹介するようにしています。
原因を治療することで、鉄欠乏状態を改善させることができることも多くあります。
次に鉄欠乏性貧血の治療について、お話しします。
一般的な治療法は、鉄剤(フェロミアⓇ、フェログラデュメットⓇなど)を服用していただくことになります。
ただし、鉄を漫然と補充することはよくないといわれています。
というのも、鉄も過剰状態になると、肝臓に貯留されてしまい肝障害となったり、心臓に障害をおこすことがあるため、先ほど申し上げた通り、ヘモグロビンやフェリチンをみて調整することになります。
加えて鉄剤は、一部の抗生物質や胃薬と相性が悪く、同時に服用しないことが大切とされています。
立ち眩みやふらつき等、心当たりのある方は、一度貧血の検査をしてみることをお勧めします。
また貧血の指摘がある方も、お気軽にご相談ください。
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