睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群
診察に来られた患者さんで、<先生、昼間ずっと眠いです>、<眠るときに息が止まっているといわれて、いびきがすごい>ですとか、<夜中によく目を覚まします>といった症状の相談をうけることがよくあります。こういった症状及び以下の症状や指摘がある方は、お話しする睡眠時無呼吸症候群の可能性があるといわれています。
睡眠時無呼吸を疑わせるものとして、
などがあります。特に重要な所見としては、3の窒息と4のあえぎ呼吸と言われています。また精査を行い、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、合併しやすいリスクとして高血圧は約2倍、心臓病は約3倍、脳血管疾患は約4倍と言われていますので、この病気には注意が必要といわれています。逆もしかりで、高血圧の患者さんの約10%は睡眠時無呼吸を合併しているといわれています。最近では、その頻度もわかってきており、日本のガイドラインによると50歳代の女性で約10%、男性で10-20%と頻度の高い病気の一つともいわれてきています。
睡眠時無呼吸症候群ですが、読んで字のごとく眠っているときに息が止まる病気ですが、大きく分けて2つに分かれます。
1つ目は、OSA(Obstructive Sleep Apnea:閉塞性睡眠時無呼吸)と呼ばれるもので、ほとんどの患者さんはこちらで、口から肺までの気道が狭窄したり閉塞したりすることで起きます。一般的に肥満や加齢等で引き起こされ、いびきが存在し呼吸をするのに努力を必要とするものです。(そのため夜中に目を覚ますことがあります)
特に体重(肥満)との関連が指摘されており、20年以上前の報告ですが、体重が10%増えると約6倍発症確率が増えるとも言われています。
2つ目は、CSA(Central Sleep Apnea:中枢性睡眠時無呼吸)というもので、脳や心臓が悪いことで引き起こされるもので、心不全や脳卒中の患者さんに診られるものです。こちらは、肺の血液がうっ滞したりすることで、頭にある呼吸中枢の反応が正常でなくなるために起こるといわれています。
こういった睡眠時無呼吸を診断するためには、必ずポリソムノグラフィー(PSG)を行います。この検査は、当院でも行う(当院では、簡易モニターという方法です)ことができます。この検査は、眠っている間に機械をつけて、酸素濃度、無呼吸や低呼吸の程度を評価します。この結果をみて、一定以上の無呼吸や低呼吸の状態であれば、治療が必要になります。
治療としては、程度によりますが、以下のようなものがあります。
先述の通りで、体重減少すると改善傾向になります。
横を向いて眠ると無呼吸の程度は改善します。
一般的に行われる治療で、呼吸を助ける機械を使った治療で、気道に圧をかけて広げた状態にします。そのことで気道の狭窄や閉塞を解除します。きちんと行うことで降圧効果もあるといわれています。
他には、酸素の投与を行う場合や顎の手術を行うこともあります。
当院でも、無呼吸の程度がきつい方で、減量や体位変換等で難しい場合、CPAPの導入を行いますが、程度のひどい場合、さらなる精査が必要である場合などは、高度医療機関への紹介を行っています。
もし、いびき等、最初に当てはまる症状や、昼間のねむけが強い方は、一度当院でご相談ください。
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